国語の先生presents 高校生に夏休みに読んで欲しい本~ver.3

シリーズでお伝えする『国語の先生がオススメする1冊!』
第三回は、『国語』の先生がなんと『英語』の本を紹介しちゃいます(笑)
この本を読んで、「英語勉強しなきゃ!」というマインドとサヨナラしよう!!

英語ネイティブ脳みそのつくりかた

白川寧々 著  大和書房

目次

あなたは英語を話せますか?

著者曰く、この本は「すべての人の、『英語勉強しなきゃ』を終わらせる本」である。

あなたは英語を話せますか。という質問に対してどのくらいの人が、自信をもって「はい」と答えられるだろうか。高校生に限らず、大人だって「はい」と答えられる人はほとんどいない。英語が話せるようになったら素敵だけれど、でも自分には無理だろうと思ってしまっている。そんなすべての人たちへの愛が全編を通して感じられる。

何をゴールに置くか

英語を勉強しなきゃと思い、単語帳を最初から覚えようとして、半分くらいで挫折したり、文法書や構文を覚えても実際に使おうとしても使えなかったり、そんな経験はみんなあるんじゃないだろうか。

それはなぜか。英語を勉強することを目的にするからだ。英語の試験で高得点をとること、英検などの資格を取ること、そういったことを目的に勉強しても全然楽しくない。でも、普通の学習用の書籍の目的は英語の得点を上げるところにある。この本が普通の学習用書籍と違うのは、読んでいると「勉強しよう」、「とりあえず試してみるとできるようになるんじゃないか」、「できることから何かやってみよう」という気持ちになってくるところだ。

ゴールとしておいている目的が、ちょっとだけ違う。このちょっと違うところが、英語を勉強するのか、英語を習得するのかという違いになってくる。

著者は「英語が好き」という女の子に対して「君が好きなのは、たぶん英語ってやつじゃないぜ」と答える。「英語って言語が好きなヤツは、単語帳を愛読したり、語源の分析をしてニヤニヤしたりするタイプを言うんだ」「英語ではなく、英語を媒介にして開かれる自由な世界やその分かが好きで、できれば将来そこに入りたいと思っている。違うかな?」と。

英検やTOEFLはただの通過点

この本は「英語圏に生息し、居場所を見つけ、活躍するための入り口」に立つことを目的として書かれている。だから英語を学ぶこと自体は「ラク」ではないこともちゃんと書いてある。考えれば当たり前だけれど、「ラク」に何かを身に着けられることはたぶんない。でも、それを少しでも「楽しく」する方法はいくらでも考えられる。それに、ゴール設定が遠くにされていると、例えば英検やTOEFLなどの試験はただの通過点になる。そうすると、つまらない英語の勉強はさっさと終わらせて、楽しくなるところまで早く行きたくなる。自分自身の興味があることや知りたいことが英語の世界にはたくさんあふれている。そういったものを理解できるようになり、英語で調べ始めたら後は勝手に英語はできるようになっていく。

日本語だって同じである。自分がとことんまで突き詰めて考えたい問題に出合った時、そこに出てくる言葉の意味を学ぶことはスタートにしか過ぎない。その先のことを知りたいと思うからこそ、言葉の意味程度で立ち止まっていたり、苦労したりなんかしない。その言葉を知ったら自分の知りたかった世界がどんどん見えてくるとしたらどんなに素敵かわからない。子どもの頃、自転車に乗れるようになっただけで世界は圧倒的に広がった。英語ができるようになるということは、バイクや車に乗るようなものだ。自分の力で好きなところへ行くことができる。見たいものを見に行き、知りたいことを知れる。そんなに楽しいことはないと思う。

「学ぶ」ことについてどのように考えるかというマインドセットを教えてくれる

この本を読んだところで、「英語を身につけるためにやること」の総量は減るわけじゃない。たぶん、むしろ増えるだろう。でも、それをやるときの心の負担はかなり減ることも確かだろう。同じことをしていても「つらいことを努力してやる」のと、「楽しくて仕方がないからやめられない」のとでは全然違う。自分自身をそういう状態にどうやったら持っていくことができるのかの一つの例を示してくれる。

もし、ここに書かれているやり方が合わなかったとしても、どうやったら自分を「楽しくて仕方がなくてやめられない」状態に持っていけるのか考えることができる。そういう意味でも、この本は英語の本ではなく、人が学びに向かう時のマインドセットを教えてくれる本なのだ。

この書評を簡単にまとめるとこんな感じになります(笑)