Most Likely to Succeed上映会へ!

21世紀の子ども達にとって必要な教育をテーマとしたドキュメンタリー

「これからを生きる子どもたちに、本当に必要な教育とは何なのだろうか?」

―これが、映画『Most Likely to Succeed』を見終わった後の私の感想でした。

この映画は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、「学校は創造性を殺しているのか?」TEDトークで著名なケン・ロビンソン卿、カーンアカデミーのサルマン・カーン氏、ハーバード・イノベーション・ラボ所属の、トニー・ワグナー氏などの有識者や多くの学校取材を2年間積み重ねられ制作されたドキュメンタリー作品です。米国のカリフォルニア州にある High Tech High というチャータースクールに通う二人の高校1年生の成長を追いかける過程で、日本と同様な受験偏重型教育と、生きる力を身につける実践的な教育のバランスをどう考えるかなど、国は違えど似た状況も多く、教育を取り囲む様々な視点について考えさせられる内容となっています。2016年6月の日本初上映会以来、自主上映コミュニティを通じて全国で150回以上上映されてきました(2019年4月4日現在)。

(以上、FutureEdu Tokyoサイトより)

▼『Most Likely to Succeed』予告編

自主上映会は満員御礼!

さて、今回は、とある地方都市で行われた自主上映会にお邪魔してきました。参加者は、教育関係者、子どもを持つ親、これから子どもを持ちたいと思っているカップル、大学生、中学生、フリーターと多種多様な地域住民のみなさん。年齢も上は80代から下は13歳まで、実に3世代に渡っていました!

また、この日は土曜日で、朝からさわやかな晴天。こんな日に、暗い会議室で映画鑑賞ってどうなのよ?(笑)っていうくらいの行楽日和!!にもかかわらず70名以上が参加し、満席となった室内は息苦しさを感じるくらいの熱気に包まれていました。

これからの教育のカタチ

今回の上映会では、上映後にグループでのディスカッションが行われました。初めて会う、年齢も立場も違う者同士がディスカッションするテーマは、「これからの教育のカタチ」。まず、各自が映画の感想を共有し、そして「自分に何ができるのか?」を考えた上で、「地域の教育をどう変えられるのか?」ということを深掘りしながら教育改革案を作成します。最後に、それぞれのチームが教育コンセプトとともに独自の改革案をプレゼンしました。

付箋にアイデアを書いていきます

ソフトスキルと多様な関係性

さまざまな教育コンセプトがあがる中で、多くのチームに共通していたキーワードが2つあります。一つは映画の中でも触れられていたソフトスキル(非認知能力)です。これからの時代に必要なのは知識の記憶ではなく、知識を活用して自ら問いを立て、世の中に新しい価値を生み出していくこと。そのためには、批判的思考力ややりきる力、リーダーシップ、コミュニケーション力などが必要だという意見が多く出ていました。

コンセプトは「ソフトスキル」

もう一つは、学年ごとの横の繋がりや先生と生徒といった縦の繋がりだけではない、多様な繋がりです例えば、学校に地域の人たちが入っていってナナメの関係を作ったり、何かを得意な子がクラスや学年の枠を超えて誰かに教えたり、学び合ったりする学校に多くの人がワクワクを感じるようでした。

そして、そのような多様な関係性や学びを深めるためには、教員にも広い視野と豊富な経験が必要です。そのために、教員の副業を是とする意見や教員に民間などでの経験を義務付けてはどうか?という意見が出ました。

タテヨコナナメの多様な繋がりを!

会場からどよめきが・・・

最後に中学生チームからは、「1人1人が自分で考えて、人間らしく生きられるように、自ら楽しく学ぶ学校」というコンセプトが発表されました。その中で、「先生の負担を減らして本来的な仕事に打ち込める環境を作ってほしい」という、まさに昨今の『働き方改革』に照らした課題が取り上げられ、会場からはどよめきの声が!!!教員の多忙はニュースなどで取り上げられることも多くなってきましたが、彼女たちはどのようにしてこの問題を感じとったのでしょか。

さらに、「部活指導を地域の人に頼ってみてはどうか?」「評価方法を変えないと新しいことを取り入れるのは難しい」と、課題解決の打ち手にまで踏み込んでいて、課題を構造化する力と熱のこもったプレゼンに度肝を抜かれました!会場からは、「中学生がここまで考えていることに驚いた。このような中学生が育っているということは、もしかしたら今の教育は間違っていないのかも(笑)。」という声も聞かれました。

中学生によるプレゼン!

変わらないために変える

こうして、今の教育の課題と未来の教育のあり方について熱くディスカッションしたわけですが、これを自分に引き寄せてみると、実際は踏みとどまってしまう人も多いのではないでしょうか。

これは映画の中でも描かれていたことですが、「今の教育が時代の変化にフィットしていないことは薄々感じている」「これからは知識偏重ではなく、問いを立てる力が大事」・・・そう頭ではわかっていても、「まずは偏差値の高い大学に行くことが無難なんじゃないの?」と多くの人がモヤモヤとしているはずです。プレゼンでも、「保護者の意識を変える」というコンセプトを発表したチームがありました。

保護者の意識はなかなか変わらない?

私たちはいま、これまで経験したことのない変化の時代を生きています。その変化に対応すべく、PBL(プロジェクトベースドラーニング)などを取り入れる動きが出てきていますが、長期的な視点で見た場合の効果はまだわかっていません。でも、子どもたちには、生き生きと自分らしく生きていく権利があります。それは、今も昔もこれからも、ずっと変わることのない、変えてはいけない権利です。そのためには、時代の変化に合わせて学びを変えていく必要があるのではないかと思います。「変わらないために変える」のです。

何が正解かはわかりませんが、みなさんと一緒に子どもたちの未来を考えていくために、これからも情報を発信し続けていきたいと思いますっ!(キリッ!)