教員レポート〜教員が感じる“今の教育の課題”とは?!<前編>

6月から8月にかけて埼玉県坂戸市で「教育と子育ての未来を考えるフォーラム」が開催されました。
なぜ、このようなファーラムを開催するにいたったのか?
主催者へのインタビューから見えてきたのは、教員が感じる“今の教育の課題”でした。
(ライター:森川大地)

目次

3ヶ月にわたるフォーラム!

6月から8月にかけて埼玉県坂戸市で「教育と子育ての未来を考えるフォーラム」(筑波大付属坂戸高校×大妻嵐山中学校・高等学校が主催)が全三回の日程で開催されました。
登壇者には教育界の新しい風潮を代表する面々が並び、参加した私も、非常に刺激を受けるセッション・講演ばかりでした!


第一回 6月15日(日)
「中高生と考える『今』と『これから』の教育~グローカルの視点から~」
 白川寧々×瀬戸昌宜のトークセッション
 高校生のプレゼンテーション

第二回 7月28日(日)
「これからの幼小教育と子育てを考える」
 子どもが輝くSTEAM教育 野村泰朗
 子どもの発想力の共育法 三谷宏治
 パネルディスカッション 三谷宏治・野村泰朗・本田祐吾・奥隅一之・鈴木悦子

第三回 8月25日(日)
「誰も取り残さない教育を実現しよう」
 渡辺由美子×中山勇魚トークセッション


フォーラムの特徴

このフォーラムは、埼玉県の中で「さいたま市・川越市・川口市・所沢市・熊谷市・春日部市」といった大きな市ではなく「坂戸市」 で開催されました。全国的に「坂戸市」と聞いてピンとくる人は少ないのではないでしょうか?
また、対象者やテーマも一つのものにフォーカスするのではなく、幼小から福祉にいたるまで実に幅広く、そのため会場は様々な年齢層の人たちで賑わっていました!

なぜ、「坂戸市」なのか?
なぜ、このような横断的なフォーラムを開催したのか?
企画の発起人である筑波大付属坂戸高校教員の藤原亮治さんに話を聞いてきました。

企画の発起人で筑波大付属坂戸高校の藤原亮治さん

開催の背景にある想い

−− どういう思いでこのフォーラムを開催したのでしょうか?

私自身が子どもを三人抱えていて、これから中学校に進学していきます。そんな自分の子供たちの教育環境をどこで?と考えたときに、ぜひここに預けたいなと思うところがありませんでした

−− どんなところが課題だと感じていたのでしょう

今、埼玉県の西部地区はほかの地域と同じように教育問題を抱えています。地域の教育現場で過去の教育を踏襲するという前時代的なものが無批判に行われているということに対する違和感がありました。また、保護者の一部に同じように地域の教育が変わらないことに苦しんでいる人がいるということを聞いたりしていました。

−− 今回、フォーラムを行おうと思ったのはどんな理由からですか

このままにしていても何も変わらないという思いがありました。だから、自分に何ができるのか、教育を取り巻く現状を親の方こそ知るべきだと思ったんです。なんとなく今まで自分が受けてきた教育と同じだから変わらないと思うのではなく、知ることで動ける親が増えるのではないかと思いました。

今、子どもを取り巻く社会が大きく変わる中で、子供がどのような環境の中で育つのかによって子供の今後の可能性が変わってきます。大人ができることは指導するというよりは環境を整えることだけだと思っています。その環境を整えようとする大人が少しでも増えることで、もし学校が変わらなかったとしても子供たちを取り巻く環境はよくなっていくのではないでしょうか。そして、地域と学校をつなぐ役割をしているのが保護者で、保護者が変わることで、結果的に学校が変わっていくのではないかという思いがありました。だから、この地域ではなかなか開かれないようなインプットの機会を創ろうと思ったんです。

開催を通じて見えてきた変化

−− 当初の目的は達成できましたか?

少しは種まきできたのではないかと思っています。次はいつか?という声もいただいて、期待されている部分もあると感じています。
今回の開催によって、少しでも新しい教育の傾向について知っている人が増えたなら、そこから少しずつ広がっていけばいいと思っています
高校生や中学生には自分が学びたい学び方を持っている子もいます。大人の手助けが少しあれば、そういう子が、小学生から高校生までを学び会える環境を作っていける足掛かりはできたんじゃないかと。あくまでまだ一年目だから、二年三年と細々とでも続いていく中で、子供の環境を整えていくことができればいいと思っています。

−− 坂戸で開催した意味についてはどうですか?

このフォーラムをきっかけとして、坂戸には教育の拠点があるという感覚が生まれて、教育に対する意識が変わる人が少しずつでも増えていくのではないでしょうか。単発のイベントでは難しいですが、今後、当事者意識をもって動く人がちょっとずつちょっとずつでも増えていけばいいなぁと。埼玉の南部や東部と違って、西部はそういった取り組みをする人の絶対数が少ないんです。自分にできることはそんなに大きなことではない。でも、今まで声を上げなかった人が声を上げるきっかけを西部地区につくること、それはできたかなと思っています。

各年代、幼児教育から福祉まですべての年代の教育をカバーしたのも、その地域の教育ということをみんなで考える機会にしたかったからなんです。そういう意味で0を1にはできたと思っています。あとは1を1.2にする。それを感じた人が少しずつ大きくしていってくれる。そのきっかけになれたのなら、やった意味があったと思います!


「東京」などの都市では教育に対するイベントも多数開催されていて参加者もたくさんいます。でも、実は坂戸市のような「地域」が日本全国にあり、日本のほとんどの学校はそういった「地域」に存在します。そこの教育が変わっていくことが、本当の意味で日本の教育が変わっていくことだと感じると同時に、今回の坂戸の取り組みはそういった「地域」の教育を変えるための取り組みとして、一つのモデルケースにもなりうると思いました。

次回は、フォーラムのそれぞれのセッションについてお伝えします!魅力的なセッションばかりでしたので、こちらもお楽しみに!!